天使の羽が好きでした。空を自由に舞える白い羽が好きでした。次の日背中に穴が空いた人間が倒れて痙攣していました。
森の深い色が好きでした。どこまでも変わりゆく色が好きでした。次の日山火事で森がただの赤になっていました。
絵を描くことが好きでした。やはり色は素敵で好きでした。次の日僕の眼球が潰れました。
歌を聞くのが好きでした。近所でぶどうを潰しながら歌う少女の声が好きでした。次の日少女が僕の耳を喉に詰まらせて死んでしまいました。
悪魔の姿が好きでした。僕に唯一見えるあの恐ろしい姿がすきでした。次の日悪魔の死体が見えました。
僕のことを小説にして書いてくれる少年が好きでした。
1/16/2023, 3:36:02 PM