海喑

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紺色のテーブルクロスにばら撒かれた宝石のような夜空、私は寝れなくてずっとこの空を見ていた。
そろそろ寝ないと明日が心配だからベッドに入った時、メッセージが送られてくる。
誰だろう?と思って通知を見ると、貴方からだった。
私は恐る恐る通知をタップして、トーク画面を開く。
「話があるんだ」と、送られてきていた。
持っていたスマホを落としてしまった。
すぐに持ち直そうとしたけど、手が震えていて全然スマホを掴むことが出来なかった。
数分後、ようやく文字を打てるようになって「どうしたの?」と送る。
「別れよう」と送られてきた。
目の前が真っ暗になった、血の気が引いているのがすぐに分かった。
「どうして?」と送った。
「海喑に幸せになって欲しいから」と返された。
どういう事。私は今までに無いくらい幸せだ。
でも、これをあなたは知っているはずだ。
何回も言っているから。
「私、今すっごい幸せ。それに、貴方が居ないと生きていけないよ。」
そう送ると、頬に熱い筋が伝った。
「いや、大丈夫。海喑は強いから。俺が居なくてもいっぱいの人と仲良くできるし、好きな人だって出来るはず。」
そう送ってから、時間を置いて
「そろそろだ、じゃあね。」
と送られてきたかと思ったら、あなたはもうトークから退室していた。
行かないで
って言いたかった。
私は弱い、貴方以外の人と仲良くなんてできない。好きな人なんて、貴方以外誰もいないよ。
私は私の前から消えた貴方を思って、涙を流していた。
─行かないで─

10/24/2023, 12:48:30 PM