三羽ゆうが

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ピン留めされた彼とのトーク画面は、1年前から動いていない。別れようの一言もなく突然切り離された私は為す術なくただ1人死んだ様に生きる日々。

全部嘘だったらしい。あの言葉もあの旅行もあの思い出も、全部偽物だったらしい。


あんな奴好きじゃないと、何度も自分に言い聞かせる。新しい人に出会えるのだと、もう縛られなくていいんだとそう言い聞かせる。


最後に届いているメッセージは「ごめん」の3文字。何をどう思ってこれを送ったのか私には理解出来ない。私にどうして欲しいの、何を返して欲しいの、何を求めてるの。



ぴろん、と通知が来た。仲のいい親友からのLINE。こんな時間に珍しい。そう思ってトーク画面を開く。

『ねぇ𓏸𓏸!』

『××と付き合う事になった!』

そこには私の元彼の名前。悪気のない彼女からのLINEを見る感じ、××の中ではとっくに私との思い出なんてなかった事にされているんだろう。

おめでとう

それだけ送ってスマホの電源を切る。今はただ、1人の時間が欲しい。すぐに連絡が取れてしまうこの世界に、初めて嫌気がさした。


『開けないLINE』

9/1/2024, 1:24:06 PM