うみ

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 ──さいごにみるのは。


 この関係を終わらせるのは、向こうではなく自分であればいいと思う。終わりを切り出すのは痛みを伴うから、傷つくのは自分だけでいい。優しいあいつが傷を負う必要はない。

 終わらせたくないのなら始めなければよかったのかもしれない。それでも一度あの薄水色に心を奪われてしまえば、心を預けてしまえば始めずにいることなんてできなくて。結局、互いの右の薬指を銀の輪っかで予約するところまで来てしまった。もう引き返せない。引き返したくない。

 遠くない日、この銀の輪っかは左の薬指に位置を変えるだろう。この関係にも法的な拘束力ができて、公に示せるようになる。

 永遠は望まない。飽きて飽きられる時が来たときは、離れた方がいいのかもしれない。

 ただ、それでも、死ぬ時はお前が隣にいて欲しい。 
 最後に見るのは美しい薄水色がいい。それだけだ。


(終わらせないで)

11/28/2024, 12:59:12 PM