ゴミ箱に捨てるように失恋を捨てる場面を、今後何度目にするだろうか。
あの日あの時までを偲んだ心ごと終わらせる瞬間に立ち会って、息を飲む。
自分のことでは無いにしろ、悲痛な表情を見るのは辛い。友人という枠の中では1番と言っても過言では無いその子を振ったのは、ひとつ上の先輩だった。
理由としては「他に好きな人がいるから」とばっさり。
恋心を弄ぶようなことをする人ではない。だからこそ自棄になったあの子は「それでも」「お願い」ふたつの言葉を迷うことなく伝えた。
相手の気持ちを考えず、その場に居合わせた私を巻き込んだあの子。その思いきりと若さに苦味を覚えた。
それができる勇気の数はあと何回だろう。
ああ、この余興を終わらせないで欲しい。
この苦味が癖になった私の目の前で喜劇を。どうか、終わらせないで。
11/28/2024, 12:32:56 PM