君と
「君と同じ時間を歩みたいんだ。…どうしたらいいかな?」
私はとうとう観念して直接本人に聞くことにした。聞く決断をしたのはいいものの、やはり情けなく思われて最後の方は掠れるような声しか出なかった。それでも彼女は私の意図を察したらしく、口元に妖艶な弧を描いた。
「一緒だなんて、そんな。無理ですよ。無理。私は私。貴方は貴方ですもの」
彼女の言う通りだった。淀みなく発せられた彼女の言葉は、私の体に入り込み血液と共に体全身に行き渡った。指先まで彼女の言葉が行き届く間、私は考えた。
彼女は正しい。私は間違っている。けれど、けれども彼女は、私の、
「君は、私の…」
「希望?」
私はがばっと顔を上げた。驚きと恐怖で頬が引くつくを感じた。この感情を知られてしまっては私はもう彼女の側には居られなくなる、何となくそう感じた。いや、そうに違いなかった。私は彼女の次の言葉を待った。私の目はもう、彼女の口元から動かせなくなっていた。
「ほら、言った通りでしょう?私たちは同じ時間を歩めないと。憧れなど理解からは程遠い感情なのよ」
そう言うと、彼女は此方を振り向く事もなく立ち去っていった。
4/3/2025, 3:04:36 PM