22時17分

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神様が舞い降りてきてこう言った。
「誰か金を恵んでくれませんか?」
「え、神なのに?」人間は逆質問をした。
「人を救おうと、天から降りてきました。しかし地上では何やらお金というもので取引をしていますね」
「え、神なのに?」
人間は今さら何、みたいな言い方をした。
「それでまずは人の生活を間近で見て眺め、問題事を見出してやりたいと思ったのです」
「え、神なのに?」
人間は神を全知全能だと思い込んでいた。
喋ってみればなんだ、丸っきり無知じゃないか。

「今まで無関心だったのです。人間を作った後、疲れてしまって。だから、贖罪の意を込めて一から学ばせてください」
「……ショクザイ?」
「はい、贖罪です」
人間は返す言葉もなかった。やがて、
「ところで、今のあなたは神なのですか?」
「精神は神ですが、この身体は人間です。だから――」

次の瞬間、銃声が一発轟いた。
神様の頭に命中し、血しぶきをだしながら絶命した。
人間はひと通り死体を確認するも、やれやれとかぶりを振った。
銃声の正体は知っていた。

「おいみんな、自称神様の死体が獲れたぞ。どうする」
後日神様は、神様の供物になった。
神の言った通り、贖罪はショクザイとなったのだ。

7/27/2024, 1:51:47 PM