Ryu

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一時期ホラーにハマって、角川ホラー文庫を片っ端から読んだ。
いろいろとゾクゾクする作品はあったけど、やっぱり「リング」は別格だったと思う。
仕事帰りの電車の中で読んでいて、たくさんの人が乗っているのにもかかわらず、怖すぎて何度も顔を上げ周りを見渡し、なかなか読み進められなかったのは、後にも先にもあの作品ぐらいだ。

特に、呪いのビデオの内容描写が、トラウマになりそうなほど禍々しかった。
文字が並んでるだけなのに、目の前で映像が再生されているかのように、はっきりと情景が浮かんできた。
後に、映画化され、実写化された映像を見たが、描写に関しては、あの時脳裏に浮かんでいた映像と、ほとんど変わらなかったように思う。

なんてったって、日本の幽霊像、「貞子」を生み出した作品な訳で、映画界においても、ジャパニーズホラーの礎になっている。
白い服を着た髪の長い女性。
それが、「きっと来る」んだから、怖い。
しかも、呪いのビデオを見ただけで?
なんでだよ?ってな部分も、科学的アプローチまでされてて、なかなか稀有な作品だったと思う。

今の時代なら、サブスク配信でもっと被害は広がるのかも。
ダビングなんて概念はないから、呪いを止める術もない。
アマプラのおすすめ作品なんかにされてたら、何となく気になって見ちゃうよな。
「リング」の映画と一緒に、さりげなく並べられてたりして。
その名も、「ほんとにあった!呪いのビデオ」
あ、すでに存在してる…。

映画の方は、オチを知っていたせいか、主役が女性に変えられていたせいか、はたまた、あからさまな貞子登場に失笑してしまったせいかは分からないが、原作ほどの恐怖は感じなかった。
やっぱり、文章を読んで、自分の頭の中でそのイメージを作り上げるのが最強、いや最恐なんだな、と。
それを無理やり映像化することには、陳腐ささえ感じてしまうこともある。

しかも、その後続く貞子シリーズの映画に関しては、まあ、興味が続かなかったのが事実。
3Dにしたり、ライバル伽椰子と闘わせたり、さすがに無理がある展開になっていく。
これでいいのか、ジャパニーズホラー。
まあ、アメリカでもフレディ VS ジェイソンとか、エイリアン VS プレデターとか、似たようなことやってるんだけど。

好きな本の話に戻す。
伊坂幸太郎全般。
特に、「アヒルと鴨のコインロッカー」とか。
これについても、言いたいことはたくさんあるんだけど、いかんせんリングの話題が長すぎた。
これはまたの機会に、話せる日が来るのであれば。
いや、きっと来る。
きっとくる。

6/15/2024, 11:23:03 PM