日本と西欧の太陽の印象はやはり異なる。太陽神の性別が違う点で、そもそもの見方が違う。
西欧の太陽神は父性だ。父性には全てを切り離す力がある。sunriseの単語には、光線が生き物を突き刺してくる印象がある。
逆に、日本の太陽神は母性だ。母性には全てを包み込む力がある。朝日を浴びると、まるで母親に抱きしめられて、おはようと言ってくれるような心地良さを覚える。
特に今、明かりが一つしかない日本家屋に私はいるが、すでに太陽の光が恋しい。谷崎潤一郎の語る陰翳礼賛を楽しみたい気持ちはあるが、電気の光に慣れてしまったこの目には、影が恐ろしく見え、寂しさを感じる。
そのような感情が、およそ100年前の生活には当たり前のように存在していた。そして翌る日、地平線から昇る朝日を浴びて、孤独と恐怖に打ち勝った喜びを全身で味わっていたのだろう。
私は明日、そんな体験ができるのだろうか。今日も目覚まし時計が鳴っているな、と機械音に従って起き上がりそうだ。
(250521 Sunrise)
5/21/2025, 10:31:00 AM