とある恋人たちの日常。

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 そろそろ近づいたバレンタインの季節。
 週末にくるイベントに、男女問わずソワソワしてしまっていた。
 
 俺の務めている病院にいるみんなも、どことなく浮ついている。
 
 友達や、仲のいい仲間には「チョコちょーだい!」と伝えていた。
 
 が。
 まあ、俺も少しだけ……そう、少しだけ落ち着かない。
 
 俺には好意を寄せている彼女がいる。去年はバレンタインに誰にも渡して居ないみたいで、ホワイトデーに交換することになった。
 
 あの時、誰かにバレンタインチョコを渡していないと知ってホッとしたんだ。
 彼女も客商売だから、お客さんにあげるとは思っているし……今年はどうなんだろう……。
 
 正直……彼女からバレンタインチョコが欲しい。
 叶うなら、俺だけのチョコが欲しい。
 
 ま、まあ……俺だけのチョコはハードルが高過ぎるんだけれどね。
 
 俺はスマホを取り出してメッセージ欄を表示させる。
 
「……」
 
 彼女に……チョコが欲しいと伝えたい……。
 
 どうしようかな。
 
 お店に行って、直接伝えようかな。
 それとも、このままメッセージで伝えようかな。
 
 俺はスマホをにらめっこしているうちに、休憩時間が終わってしまった。
 
 
 
おわり
 
 
 
そっと伝えたい

2/13/2025, 12:26:54 PM