まかろん

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※二次創作!許して!




いつからだろうか。オレがあの人のことを好きになったのは。


オレが"津詰徹生"という男を知ったのは警察学校時代だ。色んな講義を受けているときに、その名前、功績を聞かされた。オレはその時から"津詰徹生"に"尊敬の念"を抱いていた。

あるいはその頃からオレとボスは赤い糸で結ばれていたのかもしれない。

そして、警察学校を卒業し、数年経った頃、オレが念願の捜査一課に入り、あの人と一緒に仕事ができるという気持ちで胸を希望で膨らませていた。しかし、あろうことか、あの人は俺と入れ替わりで捜査一課から外れてしまった。その時の絶望感といったら言葉にできないほどだった。希望の風船は針に刺されて割れ、胸に大きな空虚が現れた。
(これがオレの運命ってやつか……)
そう嘆いて落ち込む日々が数日続いた。

捜査一課として過ごす日々を淡々とすごし、変わり映えのない毎日を歩いていたとき、オレの耳に吉報が飛び込んできた。
(津詰徹生が捜査一課に帰ってくる)
オレはそれを聞いた日から3日ほど眠れなかった。おかげでそのときはどれだけ睡魔と戦わされたことか……。

オレが対面でボスにあったのはその時が初めてだ。見た目は強面の渋い顔で、威厳を放っていて、正直近づきがたかった。

しかし、一緒に仕事をしていると意外とかわいい部分を見せていた。例えば、甘党で甘味が好物だったり、場を和ませるギャグを言ってくれたり……。オレはそのギャップに見事にハマってしまった。それ以来、オレの津詰徹生に対する尊敬の念は恋愛感情へと姿を変えていた。

オレの胸の風船を割った針の穴に赤い糸が通り、結ばれたのだ。



「……おーい、エリオー。どこ見てんだー?」
突然オレの前で手らしきものが上下に動くのが見えた。
「っ!ぼ、ボス、す、すみません。つい、考え事をしちゃって」
「ったく、ちゃんと集中して仕事しろ、仕事」
「オッケ〜、ボス〜」


「あ、ボス、急なんですけど、手、出して貰えませんか?」
「あ?なんだ?俺の手で何か実験でもするのか?」
「そんなことしませんよ〜、いいから出してください」
「しょうがねえな。ほら」
俺の前には年季の入った皺が少し刻まれた大きな手が出された。そして俺はその小指に赤い輪っかをはめた。
「……これって、お前……」
「そうです、わかってますよね、ボス」
「……ん、分かってるよ、エリオ」
「オレたちはこの赤い糸でいつも結ばれていますからね。この糸はどんな鋭利なハサミでも切れないようになってますから、安心してください、ボス」
「うっ、何か少し気持ち悪いが、まあ、いっか」

ボスは若干顔を顰めてたけど、オレと気持ちは変わらない。オレの気持ちはちゃんと伝わっているはずだ。



今度は、小指に赤い輪を嵌める代わりにボスの薬指に銀の輪を嵌めよう。


エリオはそう心の中で誓った。

6/30/2024, 1:07:15 PM