突然告げられたタイムリミット。
なんと明日の朝には世界が滅びるらしい。
そんなこと言われても、正直困る。焦りとか悲しみとかより、浮かんできたのはそんな感情だった。
別段情熱を注いできたことはないし、将来の夢とかもないけれど。いつかそんなものに出会えたら素敵だなー、なんて漠然と思っていたから。
そんな「いつか」への希望も持てなくなってしまうのか。そう思うとやるせ無くて。身体から力が抜けていく。
どうして良いかわからないから、とりあえずごろり。ベッドに寝そべって天井を見上げる。
見慣れたこの景色とも、もうすぐお別れなのか。急に実感。途端に寂しくなってきた。
同時に後悔。
今日だって何もなく、ただ普通にだらだら過ごして終わってしまった。読もうと思った漫画も読んでないし。部屋の掃除もしていない。最後だって知っていたら、もう少しちゃんとした一日を過ごせたはずだ。そうだ、LINEの返信、返してなかったんだった。
とりあえず返信しよう。そう思ってスマホを起動して、……指が止まる。何を返しても、どうせ世界は終わってしまうし意味がないんじゃ。ああでも、今までありがとうくらい送った方がいいかな。でもでも、そんなことしたら、逆にしんみりして、悲しくなってきちゃうかな……。迷って結局、放り投げてしまった。
最後だというのに返信ひとつ返せない。
情けないを通り越して、なんだか笑えてきてしまう。
だめだよ。神様。世界の終わりをこんなに突然宣告するのは。
後悔なく生きるって簡単じゃない。今日の後悔を改める。そのために明日があるんだから。
せめて、あともう少しだけ時間ください。
明日ならきっと、もう少しマシな最後を迎えられると思うから。
【明日世界がなくなるとしたら、何を願おう。】
5/6/2023, 1:01:39 PM