ゆじび

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「ただ君だけ」


僕が愛すのは君だけ。
僕が守りたいと想うのは君だけ。
君を幸せにするのは僕。
だからどうか行かないで。

「死にたい」そう告げたのはいつだった?
死にたいって聞いたとき僕は君がどういうつもりなのか分からなかった。
慰めて欲しいのか、かまって欲しいのか、助けて欲しいのか、本当に疲れて死にたいのか
僕は分からなかったな。
正直僕は死にたいって気軽にいう人が何というか、
苦手だった。
だって本当に死ぬ気がないのに回りの人に死にたいって言っても困らせるだけだから。
僕だって消えたいときぐらいあるけど、ここまで生きてきた。
だから君も少し疲れて、死にたいってついこぼしてしまっただけだと思ったんだ。
けど、それがそもそも間違いだった。
気が付いたときにはもう手遅れだったんだね。

言い訳みたい?
言い訳だから、仕方ないじゃないか。
僕はどうしたら良かったのか今でも考える時があるよ。
もしあの時、君を引け止めていたら?
理由を聞いて真剣に向き合っていたら?
いっそのこと、一緒に死のうと言っていたら?
もう巻き戻らない。
分かっていても君を考えている内はまだ君がこの世に居たときみたいに、君の側に居るみたいで辞められない。
もしかしたらこんな僕を見た君は、怒ってまたいい人を探せなんて想うのかな?
僕が愛すのは君だけだって分かっているくせに。
性格の悪い奴だ。
まぁそんな君を心から愛したのは他でもない僕だ。

少し、君が怒ってしまうような事を言うけど。
僕は君と行きたかった。
ずっとずっと君と生きたかった。
一人置いていかれるくらいなら僕も逝きたかった。
...まぁそんなもんだ。
愛した人を死なせる男が想うことは、大体一緒だ。

君はとても性格が悪い。
こんなところに一人置いていって。
一人で泣いている僕を置いていって。
こんなに苦しんで居るのに僕に逢ってくれなくて。
本当に酷い。
でもそんな君を愛した僕はバカだったのかもしれない。
でも僕はそんな君もこんな僕も、大好きだった。
とても、幸せだった。
そんな気がする。


ただ一つ君に声を掛けられるなら。




逝かないで欲しかった。って言うのかな。

5/13/2025, 9:34:35 AM