一足先に夏が終わった。必死に勝利を目指し、走り続けた二年半。苦手な早起きにも慣れて、ぶかぶかだった制服はこんなにも小さくなって。君の努力をわたしは見てきた。 誰もいなくなったグラウンド。日が沈んでも、君はずっと見つめている。焼けた目じりに残る、悔しさのあと。未だ冷めやらぬ熱をこらえる君の代わりに、飲みかけのコーラから雫が滴った。 【ぬるい炭酸と無口な君】
8/4/2025, 4:31:48 AM