作家志望の高校生

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特に予定の無い休日の半分を、何もせず寝て過ごした。
今日は雨の上、することもない。何も予定は無かったはずなのに、何故か少し損した気分になる。
多少何かした感が欲しくて、唸りながら布団から這い出た。そのまま、充電器に刺さったスマホを回収し、のそのそと布団に潜り込む。
意味もなくネットニュースを眺めて、名前だけ知っている芸能人の結婚速報を冷めた目で流し見た。
他人の結婚情報なんて、よくそこまで本気になれるな。そんな俯瞰したような、冷笑する考えが頭に浮かんでいた。
ダラダラとスマホを眺めているこの時間、ぴったりと狙ったかのようにチャットアプリの通知が来た。
『どうせ暇だろ、付き合え。』
あまりに乱暴で、要件さえ分からない。こちらを暇だと団でしているのも腹が断つ。
しかし悲しいかな、面倒事だったら嫌だと思うが、暇なのは事実なのだ。
仕方がないので付き合ってやることにした。
その旨を伝えると、冷たいほど簡潔な文で集合場所と時間だけが送られてきた。
渋々立ち上がって、ようやくパジャマから着替える。雨降りで肌寒い気温を思ってばさりと1枚上着を羽織った。
集合場所のカフェに向かうと、既に見覚えのある顔がそこにいる。予定時刻よりずっと早いはずなのだが、もう既にそこにいた。
「遅ぇ。」
予定より早く来たのにこれである。むっとしながら、彼の方へダラダラ歩いた。
「うるせぇな……早く来てやっただろうが。」
もっと文句をつけたかったが、その前にさっさと彼は歩き出してしまった。
不完全燃焼のまま、むすっとして後ろをついていく。何をするのか、どこへ行くのか。全く分からない。
電車を乗り継ぎ、レンタカーに乗り、思いの外遠くへ連れてこられた。
「ちょ、まだ行くの……?どこまで行くんだよ……」
少し暑くなってきて、羽織った上着を脱ぎ捨てる。
「もう着いた。」
目の前にあったのは、山に程近い、ぽつんと建った神社だった。
静かで、手水の音が遠くに聞こえる。
彼は俺の手を引いて、境内の隅、見晴らしのいい、社の縁に腰を下ろした。
「……最近ずっと疲れた顔してただろ。」
不器用な彼なりの、励ましだったらしい。
確かに、最近は理不尽で古い考えの上司と、自由奔放で現代らしい後輩に板挟みにされて、忙殺されていた。
周りを見る余裕も無かったかもしれない。
改めて見下ろした町並みは、俺がいなくとも穏やかに回っている。それが、酷く安心できた。
雨はもう、降っていない。あの雨は、俺の住む地区の周辺で降った局地的なものだったようだ。
隣に座る友人の、無愛想な肩の上、俺はそっと近付いて体重を預けた。

テーマ:ところにより雨

3/25/2026, 8:53:20 AM