太陽の雫、地に落ちた光芒
幻想より美しい真実があると知った黎明の頃
あなたと過ごした蒼穹の日々
あまりに短かった燦然たる嘉月は
昇る泡より夢のようで
弾けないように、消えないように抱き締めるけれど
焦がれた心が灰になって
もう、届かない
あなたを追い返した掌が、氷のように冷たくなって
まだ伝えていないのに
砕けてしまう
薄れてしまう
幼い頃に見た蜃気楼のように
存在しなかった、なんて、それこそ空事なのに
私が、あなたへの想いが、雪解けと共に崩れて消えて
麓へ流れ着いたのなら、やがて花が咲くだろうか
誰もが忘れた聖なる地にて
枯れた一枝を掬い上げて
どうか今度は連れて行って
重力の檻を超えた先であなたと踊りたい
満月も恥じらう連理の枝となり未到の星まで
まだ暗い寝台で目を覚ましたら
馴染みの絶望が頬を撫で、淡い月へ手を伸ばすよ
(空に向かって)
4/2/2025, 11:36:13 AM