「なんかめっちゃ羽増えてないすか?」
「やっぱそう思う?」
ギネス狙えるんじゃないっすかと後輩は僕の羽をまじまじと見つめてきた。
「成長痛ヤバかった割に背伸びてないと思ったら……」
「ちっさいの込みで4対ありますよ」
僕の背面に回り込んだ後輩が教えてくれる。4対の翼計8枚の羽、そんなにいらん。
「この調子で背も伸びないかな」
「無理でしょ。羽がこんだけ発達してたら背に回す分ないっすよ」
非情な答えを躊躇いなく返してきやがる。こいつに気遣いの文字はないのか。
「これ全部動かせるんすか?」
そういえば試したことがなかった。羽を一つずつ動かしてみる。
「あっ駄目だわこれ。ピキッていった」
羽ってつるのか。めちゃくちゃ痛い。
後輩は悶えている僕を憐れんだ目で見ている。見てないで助けてくれ。
「見た目が立派でもこれじゃあダサいが勝ちますねぇ」
とりあえずこいつは後でしばく。
11/12/2024, 4:13:08 AM