菜な子

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カーテンを開けると
顔をしかめて伸びをする。
のっそり起き上がったと思ったら
ガラガラ声なのにまぶしい笑顔を向けて
おはようって言う貴方。

何だか物語みたいだね。
そう言って机に置いてみた新聞。
置いてみたのは良いけれど、
テレビの猫特集に夢中で
新聞なんて頭から抜け落ちてる貴方。


週末はいつも、
カメラだけを持って
近所の公園をお散歩する。
お花と私。青空と私。私だけ。
私のことは写真を撮っておきながら、
自分は恥ずかしいよと遠慮する貴方。


どの貴方も穏やかで優しくて、笑顔だった。


何度でも
貴方の為にカーテンを開けるから。
もう一度そのガラガラ声を聞かせて。
ほら、早くしなきゃ、その声が私の中から
抜け落ちてしまう。

何度でも
貴方の為に机に新聞を添えるから。
もう一度猫特集に夢中になって。
ほら、早くしなきゃ、
そのはしゃいだ声が私の中から無くなってしまう。

何度でも
貴方と一緒にお散歩に行きたい。
今度は無理やりにでも2人で写真を撮ってやる。
ほら、早くしなきゃ
貴方と感じた風がどこかへ行ってしまう。

何度でも
何度でも
私は貴方と一緒に生きたい。













「過ぎた日を想う」

10/6/2022, 12:23:43 PM