何度も君の横顔を見上げる。
本気の恋とは君を見た瞬間、またその時間が
私を微笑みさせようとする存在であろう。
紅葉は見えるだろうか。
私は見えないに賭ける。
きっと君の方が断然魅力的で
どうせ見上げるのなら美しい方を見たい
と思うのは当然だ。
今、なぜか君はこちらを向いた。
それから微笑んで、こくりと頷く。
銀杏の葉のように柔らかな表情は
私の手を自然と頬へと導いて
唇を合わせた。
横にある紅葉の葉は
私と君の接吻と同じくらいな色をしていた。
【秋恋】#53
9/21/2023, 2:05:58 PM