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目に痛いほどの輝かしさが好きでした。
誰もが目を惹きつけられる美しさが好きでした。
アナタは自分をひどく嫌悪し、卑屈で、後ろ向きでしたが、それを覆い隠してしまうほどの輝きを持って生まれてきてしまいましたね。
可哀想に。
同情して、哀れんで、嫌がる賛辞を与えました。
眉間に寄せた皺も、憎悪が込められた瞳も、悪辣な言葉を吐く唇も、その全てが美しくて。
私は、ただ、その美しさだけが、大好きでした。

6/10/2025, 2:21:02 PM