MY HEART。
青い瞳の来客編9
屋根から降りられなくなって3日目。
夕陽が街を染める頃、トルコ猫は目覚めた。
「ここには飲み物も食物もない。腹減った…。喉も渇いた…。そろそろヤバいな…。苦しい…。脱出ル−トを探して早く逃げよう…」
トルコ猫は屋根を伝って右端まで歩いた。
そして、下を覗き込んだ。
倉庫の屋根は二等辺三角形の形状をしており、最も低い軒先で高さ3m。
前方にはホテルの駐車場の屋根があり高さは2m。
この間には倉庫が塀で囲まれていた。
倉庫と駐車場の屋根の離間距離は約1m。
まず塀を越えて、右側の駐車場の屋根の柱に伝ってよじ登り、そこから倉庫の壁に爪を立て登ったと考えられる。
「駄目だ。怖い。他の方法を考えよう…」
トルコ猫は怖じ気ついた。
その様子を僕は窓から見ている。
「甘いな…。周囲を観察したところで状況は同じだから何も変わりやしない。人生もそう、毎日仕事して、遊んで、寝るだけなら、夢なんて叶うわけがないのだ。その夢に向かって努力しないとね…。自分で屋根に登ったのだから、自分で降りれるに決まっている。だから、登ったところから飛び降りればいいだけの事だ。なぜそれに気づかない?普通の猫なら可能な高さだ。ハ−トが弱過ぎる。怖くてできないなら、僕が脚立で屋根に登った時に身を任せればいいのにそれもできない。自分で勝手に苦しんでいるだけだ。僕だったら、そのどちらかを選択して、今頃、地上で春を謳歌しているのにな…」
僕は冷静に分析した。
続く。
3/29/2026, 3:29:33 AM