君が見た景色は、すべてが夏の色。この地に生まれ、短い時を過ごし、再び土に還る。夏の盛りを声高らかに響かせて、仲間達とともに命の灯火が燃え尽きるまで。ほんの短いひと夏の記憶。君が見た景色は、次の命に引き継がれてゆく。命の限りに鳴き続けた、真夏の太陽のもとで。目的など無い。喜びはこの音にかき消され。ただ、命を燃やしてこの季節を通り過ぎるだけ。君は蝉。夏に生きる命。君が見た景色は、すべてが夏の色。
8/15/2025, 8:40:12 AM