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「幸せになってね」

たくさんの愛のことばをくれたその唇が、
最後に、私を遠ざける為の言葉を紡ぐ。

声色は今までと同じ、ううん、ずっとずっと優しいのに。
その一言で突き付けられる。
君の想う未来に私はもういないのだと。

幸せに、なんて。
君の隣でそうありたかったのに?
君じゃなきゃ何の意味もないのに?
君がくれたものなのに、君が奪っていくの?

「…君もね」

うそ、
私がいない世界で、幸せになんてならないで、

6/26/2024, 3:58:51 PM