人はだれでもま法が使えるのだとぼくは思っている。
お料理でにっこりにするま法。
メイクでお顔を変えるま法。
文字で人をびっくりさせるま法。
お洋服ですてきにかえちゃうま法。
言葉でおこらせるま法。
凶器で怖がらせるま法。
人によってできるま法のとく意下手はかわってくる。
でも、その人の好きなことととく意なま法はちがう。
ぼくのおばあちゃんはお料理が好きだけど良く焦がしちゃうし、
ぼくの友だちは走るのが好きだけどあんまりはやくない。
・・・ぼくには好きなこともとく意なこともなくて。
ぼくだけなんにもま法が使えないんだ。
自分でお洋服を選んでもぐちゃぐちゃだし、
何かを読んでも見ても良くわかんない。
動くのも作るのもできなかった。
今日もどなられる。
おかあさんは、ぼくを悲しませるま法がとく意だ。
今日もなぐられる。
おとおさんは、ぼくをきずつけるま法がとく意だ。
今日も閉じ込められる。
おにーちゃんは、ぼくを怖がらせるま法がとく意だ。
ぼくは、ぼくには何ができたろう?
いたい体を押さえて、
どなり声が反きょうする頭を押さえて、
真っくらやみの中でちぢこまる。
僕にできるま法。
・・・・・・・・・・・・・あった。
一つだけある。あるじゃんか!!!!
とっても簡単なのが。
みんなよろこぶすっごいま法が!!!!!
学校の帰り道。
いつもの帰り道だけど今日は違うんだ。
皆へのま法。
とびきりすごいま法!!!!!!
道の途中にあるおっきな池。
むずかしくてよめない注意書きをむしして柵をこえて。
池に飛び込む。
水の冷たいかんかく。
足から沈んで行くかんかく。
いきができなくなって。
沈んで。
ぼくのま法。
2/23/2025, 11:05:25 AM