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 題目:『束の間の休息』

 白黒の視点で見下ろしたデスク。
 外からの光が乱反射して、黒を白に染め上げた。

 打たれたはずの文字は見えず、手をかざしてみれば如何様にも受け取れる言葉の繰り返し。

 繰り返し。パターンを変え、態度を変え、されど打ち綴る言葉の意味は何一つ変わらない。

 自ら打ったのだから意味が分かる。当然の如く意図が分かる。自分が何を伝えたいのか。

 ではどうしよう、これは酷い。
 人様に見せれた物ではない。

 ひとまずこれから目を離す。
 頭は回し、されど腕から先には別の役を。

 時代遅れの鉛筆を持ち、滑りやすい材質の上を塗り潰すかのように巡らせる。

 それで何が起きるのか、何が出来上がるのか。
 自らやり始めたことなのに、然程興味は感じられないが、さりとて腕を止めようとはしない。

 ならば出来たのは人か、物か、幻か。

 重なった黒鉛と見慣れた体躯。
 けれど人では無いのだろう。

 それは自らの二足で立ち、胴から連なる片方の腕を振り上げていた。そこに見慣れた頭蓋は無い。

 自ら描いたのだから意味が分かる。当然の如く意図が分かる。自分が何を伝えたいのか。

 ではどうしよう、これは酷い。
 人様に見せれた物ではない。

 ひとまずこれから目を離す。
 頭は回し、されど腕から先には別の役を。

10/8/2024, 10:22:15 AM