風雪 武士

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雫。

雨が上がり、草木の雫が乾く頃に、野良猫が駐車場に現れた。
野良猫は青い瞳で頭と尻尾が茶色のトルコ猫だ。
駐車場には多くの車が停車している。
トルコ猫は塀と車の間、約30cmを駆け抜ける。
外敵から身を守る為にあえて狭い場所を移動するのだ。
壁を華麗に登り、秘密の餌場に辿り着いた。
皿には大好物の焼き鮭の切り身が置いてある。
トルコ猫は舌舐めずりをした。
その時、黒いス−ツ姿の男が姿を見せた。
「よう、トルコ猫ちゃん!久し振り!」
男はスマホの猫翻訳アプリを開いて話した。
「あら、本当ね」
トルコ猫は答えた。
「狭い通路を走って登場するなんてカッコいいな!僕なんか健康の為に三階から歩いて登場だよ」
「野良猫は敵が多いの、人間が多い場所は特に警戒しないとね」
「なるほど、ところで倉庫の屋根から救助してあげたのにお礼の一言ぐらいあっていいんじゃないの?僕が助けなかったら君は死んでいたんだよ」
(青い瞳の来客編を読んで下さい。)
「……そうね。どうもありがとう!」
「それで、テ−マ(木枯らし)(ミッドナイト)はメスのトルコ猫、青い瞳の来客編はオスのトルコ猫の別のキャラクターとして書いたが、最近気づいたけど、よく調べたら同一猫やんか!私やって言えよ!」
「貴方が勝手に勘違いしたんでしよ!知らないわよ!」
「君は夜にしか現れないから、まさか青い瞳をしてるとは思わなかったよ。読者の皆様にはこの場を借りて、訂正およびお詫びをさせていただきます。
それで、なんで姿を現してくれないの?僕の勤務時間外に来てるらしいね。お客様から聞いたよ。
なんか僕が嫌な奴みたいじゃないか!」
「……私に限らず野良猫はプライドが高いの。助けられたから貴方に会うのが気恥ずかしいのよ。女子もメスも乙女心は複雑なの!」
「そうか…。だから僕は独身なのか…。って何を言わせるんだ!そんな事は気にするな!君は綺麗な猫なんだから人から好かれやすい。だから、人間に懐く努力をしなさい。そうすれば美味しいご飯を貰えるし、家猫になって過酷な野良猫生活を卒業できるかもしれないんだよ」
「……考えておくわ」
「プライドなんか捨ててしまえ!考えを少し変えるだけで幸せになれるんだ!たまに顔を出してよ。じゃあな」
男は去って行った。



4/22/2026, 8:47:53 AM