1件のLINEたった一件の通知、それだけで世界はガラリ、と変わってしまう。『迎えに行くよ』画面に表示された名前に、見覚えはない。それなのに、アイコンの写真はどこかから盗撮された自分自身の写真で。ひゅっ、と喉が鳴る。カタカタ、と震え出す体を守るように抱きしめて、縮こまった。ピンポーン、とインターホンが鳴り響く。浅く速くなる呼吸に、恐怖で溢れてくる涙が頬を伝う。「迎えに来たよ」ドアの向こう側で、たしかにそう声がした。
7/11/2023, 1:42:23 PM