「僕みたいな奴があなたの隣にいてもいいんでしょうか?」
「君は・・・・・・、私の隣に居たくないの?」
「いえ! そんなことあるわけないじゃないですか!」
「じゃあ、私のこと好きなんだね」
「はい・・・・・・。好きです」
「私もあなたが好き。よくさ、好きになった人が理想のタイプって言うけど、私ね、あれって少し違うんじゃないかと思うの」
どういう意味だろう。
「だって好きな人の側にいるためなら、自然とその人の理想の人になろうって努力するじゃない?」
「そうかも・・・・・・、しれませんね」
「うん。だからあなたは今、その理想とのギャップに自信をなくしてるのかもしれないけど、そんなことは気にしなくてもいいんだよ。だって私は──、頑張ってるあなたが大好きなんだもの」
私にとっての理想のあなたは、いまこの瞬間の君だよ。そんなことを満面の笑顔で言われたら、悩んでいたことが吹っ飛んでしまった。
【理想のあなた】
5/21/2023, 7:46:43 AM