星ノ灯

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こんなにも空は青いのに、私の春は青さを失ってしまう。

夜明けの訪れを喜ぶ鳥たちに、心底嫌気がさす。遠くの空が赤く染っていくけど、私はずうっと黒いまま。

あの日見た朝焼けの色は、あんなに美しく輝いていたのに、今はもう、こんなにも醜く私を嘲笑う。

細い月が白む空に浮かんでいる。あんなに明るい場所ならば、きっと月だって居心地悪いだろうに、何食わぬ顔でそこに漂う。

こんなに朝が嫌いなのに、この時に縋ってしまうのは、私の弱さの現れだ。

お願い、朝焼けよ、白さに溶けてしまわないで。
このときを終わらせないで、あの日の様に美しく、微笑みかけて。

11/28/2024, 10:11:26 PM