作:ロキ

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『(うーん……?)』
苦手な現国のワークを開き、頭を抱えながら
今日出された宿題とにらめっこ中のアタシ
間違えた所を消そうと筆箱の中にある筈のソレを
取り出そうとしていた。
しかし、いくら左指の人差し指や中指で探しても
指先にすらソレは、触らない。何故見つからないんだ?と、使いたい時に中々筆箱から出てこないソレに
アタシは、段々とイライラしてきた。
ワークも分からないし!使いたいものが出てこないし
『もうっ…!なんなのよ!!』
アタシは、我慢限界!と言わんばかりに
大きな独り言をこぼした。
そして、ガサゴソと左手では無く両手で筆箱の中を
漁った。筆箱の中から出てくるのは、《ピンク色のシャープペンシルとマッキーペン、友達から貰ったカワイイ動物の付箋。赤色のボールペンに青色のボールペン…
定規、修正テープ》
探すこと、数秒後…。やっぱり見つからない。
『あれ……??消しゴムが無い…。』
いつも、筆箱に入っているはずのMONOの消しゴムだけが無かったのだ。何で無いんだ??アタシは、不思議そうに、うーん?と首を傾げながら、今日1日を振り返ってみた。1限目の数学の時に使って…。3限目の化学で隣の席に座っていたカナヤに、消しゴム貸して…。
それで5限目に……。と、ボンヤリ考えながら机に
飾ってある写真を何気なく見つめ
ふとアル事を思い出す。

『あっ……アタシ
       レイに消しゴム貸してるんだっけ』

そう…。あれは3時間前の事。妹のレイは
自分の消しゴムを友だちに貸したままで、その事を
すっかり忘れてしまっていて。家に帰って「さあ!宿題をするぞ!」って時に無いことに気がついたのだ。
困っていた妹に、アタシは消しゴムを貸したのだ。

『なぁーんだ!!あ〜スッキリした』

筆箱の中から消えた消しゴムの行方が分かり
先ほどまでのイライラが、何処か遠い所へ行ってしまいそしてアタシは今、とってもご機嫌である。
機嫌が良くなったので、何か飲み物でも飲もう〜♪
と、座っていた椅子から重い腰を上げてルンルンで
部屋の扉を開け、キッチンへ向かった。

その後、レイに貸した消しゴムは
アタシの手元に返ってきた。
これで、ようやく間違えた所を消せる!!
アタシは、間違えた問8の答えを消し始めた。

きっかけは、「些細なこと」から始まっていた。

           
           ※21:53 編集し直し済※

9/3/2024, 12:01:29 PM