「あいちゃん、みんなと遊ばないの?」
「うん、いまつみきしてるからいい」
「そっかぁ……」
小さい頃から、一人でいることが多かった。
友達が居ないってわけじゃなかったけれど、その時自分がやりたいと思うことが一人でやりたいことだったから、自然と一人になっていた。
(なんでみんなともだちとあそべっていうんだろう?)
私自身はやりたいことができているので、特に苦に思っていなかったけれど、先生とか親にはやたら心配されていた記憶がある。
まぁ、周りから見たら孤立して周りに馴染めていない子に見えたのかもしれないけれど。
小学校もそうやって好きなことをして生きる自由人だったけれど、中学生になってからはそうもいかなくなった。
「ねぇ、トイレ行こうよ!」
「えっ、い、いいけど……」
女の子はどこに行くにも一緒にいないと落ち着かないらしい。
トイレ、移動教室、登下校など、常に誰かと一緒で、本当はお絵描きがしたいし本を読んだりもしたかったけど、枠から外れると浮いちゃうので合わせた。
友達のことも好きだったし、一緒にいるのは楽しかったけど、少し窮屈だった。
高校生もそんな感じで過ごして、ようやく人に合わせることになれていた。
大人になるってこういうことなんだなと、なんとなく思ったのを覚えている。
でも、大学生になってからは、不思議なことにまた一人の時間が増えた。
友だちはできたけど、授業が同じになることはせいぜい2年生くらいまでで、だんだんと一人で講義を受けたり、昼食を食べることが増えた。
「自由に時間が使えるってこんなに楽しかったっけ!」
友だちと話すのも、ごはんを食べるのも好きだったけど、空きコマに好きなことをするのはやっぱり楽しかった。
多分、私はどうしてもどこかで一人好きなことに没頭する時間が必要な人間なんだろう。
だってこんなにも楽しいんだから。
だから、私は一人でいたい。
でも、たまには人とも関わりたいな、寂しいから。
お題『だから、一人でいたい。』
7/31/2024, 11:53:39 PM