私の胸の中に、青鈍の心臓が萌えている。雫の滴る石や一筋の光を落とす木に、それはジンと音を立てて増えてゆく。雨上がりのアスファルトや、ツルリとしたラムネの瓶などにも。人間とはとても単純なもので、そういう美しいもの達に心揺さぶられる。けれど、次の瞬間にはすでに他の物へ興味が向いている。嗚呼、なんて愚かで愛おしいのか。私はその一瞬に己の心を燃やしたい。緩やかに訪れる死を待つ為に。
11/6/2024, 9:44:15 AM