悩む人

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肌寒い風に身を震わせながら、並木道を歩く。

左右に植えられた木々の葉は既に変色していて、秋の訪れを強く実感させる。

路面には、落ち葉となってうっすらと積もっている枯葉たち。

春に芽吹いていた生命の象徴は、いまやその役目を終えようとしていた。

嬉しいことも悲しいことも、気づけばあっという間に過ぎていって、何事もなかったかのように季節は巡る。

秋は、四季の中で最も哀愁を感じさせる季節だ。

それを視覚的に表しているのが、色褪せた葉っぱ。

なんとなく今日を生きている私も、いつかは枯葉と同じように、やがて風化していく。

それを思うと、年老いていくことは避けられないのに、漠然とした不安と恐れを抱かずにはいられない。

これもまた、人情というものだろう。

人は理性的ではあるけれど、生き物である以上、感情に抑制が効かないこともある。

私はいま、人肌が恋しい。

誰かとまったりしたひと時を過ごし、肌を重ね合わせ、愛を育むことを切望してしまう。

三十代にもなっていまだに男の人を知らないのだから、拗らせている。

このまま私は、四十代を迎えてしまうのだろうか。

答えてくれる人は、どこにもいない。

……寒空の下、またヒラヒラと枯葉が舞っている。

苦悩を抱えて、私は落ち葉を踏みしめていく。

クリスマスのイブまでには、恋人をつくりたい。

心から、それを望む。

2/20/2024, 1:48:22 AM