「日常。」
いつものように学校に行き、
授業を受け、
親に作って貰ったお弁当を食べ、
部活に行き、
美術室で絵を描く。
私は美術以外に得意な科目が無かったから。
私は絵に溺れ、
入り浸る日々。
私は親に愛された事など無かった。
いつも弟ばかり。
「どうして。」
私の方が何十倍も何百倍も何千倍も
努力してきたのに。
これが運命なら、
私は神に逆らう。
愛されないと分かっていても。
そんな私にも友達が出来た。
「ねぇ、君名前は?」
私はいっつもバカにされ、
いじめられてきたのに
彼だけは話しかけてくれた。
絵に溺れた私に手を差し伸べた様に。
そうだ、名前を言わなきゃ…
「…私の名前は、______」
そう言いかけた瞬間、
私の気持ちが抑えきれず溢れ出す様に
視界がぼやけた。
私の手に1粒の雫が落ちた。
彼は私を抱きしめ、
「我慢しなくていいんですよ。」
そう言われた瞬間に、
私は
今まで溜め込んで居た気持ちが溢れ出した。
2/5/2024, 12:06:58 PM