あん

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君は僕のお隣に住んでる少し年上のお姉さん。
君はいつだって、どんな時だって人を笑顔にする人だった。
作り話なのか果たして経験した話なのか、どっちとも取れる話をするのは君のお得意技だった。
妖精や、どこかの国のお姫様、はたまた花の話だったり。 本当に色んな話をする人。
でも君はそんな時きまって窓から見える景色とは違う、どこか遠いところを見て寂しそうな顔をする。
外を見て、「君はいいね。」って、寂しそうに笑うんだ。
僕はどうしてもその顔が好きになれなくて、
「別のお話をして。」って話をねだるんだ。
君は今日も同じように話をしてくれた。
でもその話はまるで君の話のようで、最後には綺麗なお花畑で永遠の眠りにつくお姫様の話だった。
君はやっぱりどこか寂しそうな顔をして、
「私も、綺麗なお花畑へ行ってみたかったわ。」って、僕の頬を撫でるんだ。
僕はその手が暖かったのを今でも覚えている。

「君が好きだと言った花を、君の傍に咲かせたよ。」
僕は今日も、君に会った時のために、色々な話を考えておくんだ。

8/4/2023, 1:12:59 PM