これからも、ずっと私たち一緒に居たいね。
そう語り合った日があったかもしれない。入学式。先輩も新たな場所でみんなに祝福されているのだろうか。私の頭の中はそんな一途な考えでいっぱいだった。
「なぁ〜あ〜。これっていつまでぇ?」
聞き慣れた声。肩の力も抜け、私の頭の中は空っぽに。
「先生に聞いたら?あっそうだ。これ!お土産。」
「…ありがと」
お兄ちゃんも学校ちゃんと行けてるかな。再び私の頭の中は回り始める。入学式で忌々しい1年生が入ってくるんだ。私は苦痛で仕方がなかった。先輩と同じ学年カラーに先輩と同じ色のジャージを身に纏う。担任だって先輩と同じだ。
ー憎い。なんで私じゃないんだろう。お兄ちゃんもその学年カラーだったのに…ー
憎しみを握りしめている右手を取ったのは幼馴染くんだった。
「ど…どうしたの?」
「握力鍛えてんのかなって不思議に思った。」
私がそんな事する訳ないだろ…く、くそヤロー!!とは思ったものの、自然と1年生への憎しみを一瞬だけでも忘れることが出来たんだ。
ボーッとしていれば時は不思議と早くすぎていく。気づけばホールに集まっていた。
「皆さんお楽しみのクラス替えですよぉ!」
新任の先生。興味すら湧かない。クラスが発表された。君とクラスが離れてしまった。私は君といることが当たり前だと思い込んでしまっていたらしい。新しいクラスに、新しい先生に…苛立ちを覚えた。君は男子に囲まれて寂しそうに笑うんだ。
あぁ、そうか。君は不安だったんだね。私と同じクラスになれない気がしていたんだ、きっと。私、君に何もしてなかった。ごめんね、私バカだから気づけなかったの。
ーなんでいつも私はこうも上手くいかないんだ。ずっとずっと頑張ってきたじゃないか?君と一緒に…これからも、ずっと一緒に…ー
込み上げてくるものは胸の奥にしまった。
さて、私はこのクラスにこの先生で上手くやっていけるのだろうか?君がいないと寂しくてダメなんだ。
4/8/2023, 11:19:18 AM