紅の記憶
おばあちゃんは赤が好きだった。
赤い服、赤い靴、赤い口紅
おしゃれで美人。
大好きだったし今も大好きだ。
おばあちゃんっ子だった私は、子供の時はいつも一緒だった。
グラウンドゴルフについていき、一緒に石蕗をとり、本もたくさん買ってもらったな。
歌が好きで、太鼓も三味線も大好きな粋なおばあちゃん。
ショートしか許されなかった私の髪を初めて結んでくれたのもおばあちゃん。
子供の時はわからなかったけど、母はあの激しい性格に相当苦労したようだ。
田舎の小さな街の中では有名人。
あの家に嫁に行くと大変だと言われていたらしい。
母は他県出身。知っていたら嫁がなかったかもしれないな。
でも、私はおばあちゃんが大好きだ。
そして今、性格が似てきたと言われる。
当たり前だ。おばあちゃんとずっと一緒にいたのだなら。
そして誇りでもある。
あの真っ直ぐな情熱。あれを引き継げたなら嬉しい。
紅からの記憶。
11/22/2025, 11:49:07 AM