テラリウムやアクアリウムを育てるみたいに、地球を観るのがすきな宇宙人たち。
「うんうん。ゆっくりだけどオゾン層、回復していっているね。」
「50年もしたらオゾンホール塞がりそうだね。」
「あとは中の二酸化炭素濃度か。」
「ちょっと濃すぎかな?温度が高めだね。」
「でも人間たちがまた気をつけはじめているからね。オゾン層みたいにきっとよくなっていくよ。」
「そうだね。ボクとしては酸素を出す植物をもっと増やしてほしいね。」
「人間は、ハラスメントっていう感覚の違いから起きる不快な状況も、理解し、改善していこうとしてるよ。」
「そうそう。性別に関する固定観念もなるべくなくして、柔軟にものを見る努力もしているよ。」
「おもしろいねえ。」
宇宙人たちは顔を見合わせて笑う。
「でもさ…
この戦争とか、侵略とか、
どうにかなんないの?」
「地球のあちこちで起きるね。」
「いつまで経ってもなくならない。」
「くだらない。」
「これだけは理解できないねえ。
せっかく作ったきれいなものも台無しにされちゃうし。」
「なんとかなんないのかねえ。」
「ボクたちは観るだけで一切の手出しはだめなルールだからね。」
「まだまだ理想のかたちは遠そうだねえ…。」
「でもきっと理想を捨てなければ変わっていけるさ。人間の多くは平和がすきなんだ。だからこそここまでの変化があったのだろうから。」
「そうだね。
そうであってほしいね。」
青い地球をただ見つめて、そんな話をして、また見にこようね。と言う宇宙人たちなのでした。
「理想郷」
11/1/2024, 12:36:57 AM