まっ白くて、なにも無くて。
明るくて、ひとつ扉があって。
扉を開けると、ぶわって風が吹いてきて。
広い広い、草が青々と揺れる原っぱで。
見上げれば、雲ひとつ無い青空が拡がっていて。
丘を超えると、海が見えて。
海に向かって走って、走って。
丘を下って走っていたら、
走っていたら、つまづいて。
そのままふわっと、体が浮いて。
海に向かって、飛んでって。
羽もないのに、落ちなくて。
海に飛び込んだ衝撃は無い。
突然音が無くなって。
風を切る音が無くなった。
静かで、静かで、静かな
こぽこぽと、遠くで何かが弾けていたから、
孤独な寂しさは感じなくて。
ただただ、心地よい海の鼓動に包まれて。
ゆっくり目を閉じた。

＿＿さて、あなたの心の中の風景は？


「心の中の風景は」

8/30/2025, 5:15:42 AM