川柳えむ

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 1人1台、誰しもがアンドロイドを持つ時代。
 アンドロイドは人間の相棒として一緒に暮らしていた――。


 君と僕はとても仲良し。
 僕は君のことを相棒って思ってるんだけど、君はどうだろう?

「おはよ! 今日って何か予定あったっけ?」
「今日は予定がないから、一緒にどこか出掛けようか?」

 二人で一緒に街に繰り出す。
 たくさんの人が行き交っている。みんな、誰かを連れている。

「やっぱり1人で歩いてる人なんて、今どきいないね」
「うん、みんな誰かと一緒。……でも、僕にとっては君が1番。他の誰かじゃなくて君と一緒がいいけどね」
「嬉しいこと言ってくれるなぁ」

 僕は君を信頼している。
 君も僕を信頼してくれている。

「君が行きたいお店とかある? そこへ行こうよ」
「君が笑ってくれるなら、どこでもいいよ。君の『好き』をもっとたくさん知りたいんだ」

 大切な相棒。君のことをもっと知りたい。
 たった1人の僕の相棒。
 君は僕をどう思っているかわからない。ただのアンドロイドとしか思っていないかもしれない。でも、僕にとっては君だけが全て。
 他の人間なんて必要ない。この世界に君さえいればいい。君と僕さえいればいい。


『君と僕』

4/11/2025, 11:32:20 PM