お題『友だちの思い出』
主様のお友だちについて、俺にはいまだに引っかかっていることがある。
主様と名前を呼び捨てにしあっていた、あの少年のことだ。
ずっと近く、どの執事たちよりも間近にお世話をしてきた俺ですら、主様を呼び捨てにしたことはないというのに。なのになのに、あの少年は軽々とそれを越えてきた。
この気持ちは嫉妬だけではない。その少年への羨望もあると思う。もし俺がもう300歳以上若くて街の少年だったら、その機会もあったかもしれない……
……いや、だめだだめだ、もしそんなことになったら俺は主様のお世話というある意味特権を失うことになる。落ち着け、俺。
でもこういう、主様に対して特別感がないと自分のことに自信が持てないなんて、俺って小さい奴だよな……。
7/6/2023, 1:57:51 PM