ヨルガオ(短編小説)

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「…また…あえる……?」

『もちろん!!!!おれがむかえにいってやる!!』

「やくそくだよ…!!」

あの日、

私たちは入道雲の下で指切りを交わした。

…それから15年の月日が流れた。

私は入道雲を見ると今でも思い出す。

(……あいつ…結局来なかったな)

幼馴染の彼の事を、私は6歳の頃から好きだった。

親の仕事の関係で引っ越しをする事になったらしい。

(会うって…約束したのにな)

(もし…また会えたら…告白するつもりだったのに)

今年、私は別の人と結婚する。

彼との約束は入道雲の様に、高く届かない物へと

変わってしまった。


ー入道雲ー

6/29/2023, 11:28:56 AM