椋 muku

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新年明けましておめでとう…あれからもう既に7日が経っている。7日…つまり、本日からまた出校日なのだ。休む暇もなく勉強に明け暮れ終いには一周まわってアニメを見出すなどなど受験生の日々は忙しい。

「おい、起きろ。明日出校日なんだから夜更かしすんなって昨日あれほど言ったのに」

「んー。あと5分だけ…」

「んな漫画みてぇなこと言ってられっか!はよ起きんか!」

少し大きな声を出しただけで、目に見えないほどの速さで起き上がる。コイツは本当に何も読めない。

さて、話は変わり、新年1発目の出校日。本日の私たちの話題は恋愛だった。男でも意外と恋バナをするもんで、女子ほどでは無いがそれなりに情報も出回っている。皆が挙げたタイプはどれも愛が「軽い」もので、私との意見は全く合わなかった。周り曰く、私の愛は超がつく程「重い」らしい。誰も納得してくれないのも少し目立つようで嫌な気さえした。

チャイムが鳴り私はコイツと速やかに下校した。受験生と言ってもまだ幼さは残っている方で、雪だるまを帰り道で作っていた。

「今日の恋バナ面白かったな」

「面白かった…のか…?」

まぁまぁと慰めるように笑うコイツが不思議と腹立たしくもなんともなかった。

「でも俺は愛が重い方が好きだけどな。っていうか俺は一生隣にいるからさ、そんな落ち込むな?笑」

「・・・なぁ、って事は俺のこと、好き?」

どんな意味なのかは教えてやんねぇけどと前置きをしてコイツは真面目に言った。

「好きだよ、お前のこと。これからもずっとな。」

「そっか」

気色の悪い笑みを浮かべたことが自分でさえもわかった。コイツもぞくぞくするような表情で私を見つめてきた。

「じゃあさ、最期は俺と一緒に心中しよっか」

「うん」

たった一言だけ返事をすると私たちはいつも通りの関係に戻った。

「そういや、心中ってなんだ?」

「ん、えっと教えない。あ、調べんなよ?」

「えー。ま、いっか」

私ならコイツと一緒に最期を迎えられる。だからお互いになくてはならない存在なんだ。ずっと一緒に、約束。

題材「君と一緒に」

1/7/2025, 5:12:59 AM