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君と二人だけの空間
空も見えない真っ白で真っ黒にも見えるような空間
全てが正反対で、いやだからこそなのか
どこか気が合うように思えた

君がいるなら他はいらない、望まない
興味すら持たない、たとえ偽物の世界だったとしても

そう思っていた自分と、

本当の空はどんなふうに映るのか
知識をつけるだけつけて実際に見れたら、行けたらと

外に興味を持った君

この、
背中に生えてる翼がはばたけたら、

この、
手足についてる枷が外れたら、

そしたら
自由に飛んでいけるのに、見たい景色も確かめにいけるのに

そう、目をキラキラとさせて言った希望を抱く君


…希望があったところで変わりはしないのに

希望はいずれ絶望になるんだ
抱けば抱くほど苦しむことになる

なら、最初からもたなければいい

なのに、どうしてあんなにも綺麗な目をするんだ


変わることを、傷つくことを恐れ、諦めた自分
変化を望み、希望を抱き、いつかを夢見た君


そんな君がここから解放されるのは必然だったのかもしれない

もしかしたら君のように思えていれば、自分も…なんて遅すぎたか


きっと君はこれからさまざまな経験をして
いつの日にか
ここのことすら忘れるんだろうね

….それなら

ねぇさいごに少し時間を頂戴よ
一言だけ言わせておくれ

『君の人生に幸あらんことを』

大切で大切で何よりも大事で何よりも憎らしい君に、
ありったけの呪い(祝福)を

【飛べない翼】

11/12/2024, 8:27:46 AM