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冬休み

「今日で学校終わりやな~もう冬休みやん!
れいは?なんかするん??」
幼馴染みのとあが、帰り道に聞いてきた
「え~、特にすることないかな笑」
本当に、なにもすることがない
休みだって嬉しいけど
なにより、とあに
好きな人に、会えなくなると思うと辛い。
家は隣同士だから、いつでも会えるけど
「……そっか、
ねぇ、じゃあれいの家行ってもええ??
どうせ、親おやおらんやろ?」
やめてよ、そんなこというの。
期待しちゃうじゃん。
「…んー、まぁいないかな、笑
別にいいよ。」
でもさ、好きな人だから許しちゃうよね、笑
心に空いた穴。それを、埋めてくれるのは
きっとあなたしかいない。
冷たくなる心。
比例するように、初雪が降る
「…え、雪!!ねぇ、れい雪!!」
「ふふ、そんな驚かなくても笑
じゃあ、遊ぶとき教えて?いつでも暇だから。」
家のドアを空けて、さっさと入った。
初雪は軽くて、ふわふわしてるはずなのに
私の心には重くて、ずっしりしてる。
私には、親がいない。
正確には、いた。いたけど、
私を残してどこかに行ってしまった。
私一人しかいないのに、こんな広い家だと
どうにも温まらなくて
部屋で、よく一人で泣いている
今日だって、辛くて泣いちゃった
すると…
「れい!今かられいの家行くから!」
「……え?」
返信する間も無く、家のドアが開く音がした
「れーいー?部屋?行くから!」
……ダメ、今きちゃダメだよ、とあ
泣いてるとこなんて見せたくないの
「…駄目、入らないで?下で待ってて、今行くから」
「……無理。泣いてるんやろ?
知ってるで、れいが一人で泣いとるの
入るから。」
全部、お見通しじゃん。
ガチャ、とドアが開く音
「…ねぇ、れいは何で泣いとるん?」
そんなの、とあのせいだよ。
「…とあが、私の気持ちも知らないで家に来るからでしょ、どれだけ……私が、どんな想いでとあをこの家にいれてるか分かる?とあは、何で私の家に来たがるの?期待しちゃうじゃん。………私だけが、好きみたいで辛いんだよ
もう、来ないでよ……」
ぎゅっと抱き締められた
「……れい、俺が気付かないと思ってる?
知ってる、俺のこと好きなんも。こんななら、もっと早く伝えるべきやったな。俺も、れいが好きやで?
すきやから、そばにおるんやん。」
心が、久しぶりに温まった気がした。
親に殴られる毎日
とあに、支えてもらった日々。
好きなのは私だけと思ってた時間。
そんな時間も、全て溶かしてくれるような、魔法の言葉
「……ひどいこと言っちゃった、ごめんね、とあ。
私も、好きだよ。ずっと前から。」
「……ふふ、知ってる。
おれと、付き合ってください。幸せにするから。」
「うん、よろしくお願いします。」
嫌だった冬休みが
…今は楽しみだ

12/28/2023, 1:06:03 PM