日差し暖かな春の日差しの中を、ボロ布を纏った白銀の乙女が優雅に歩く。日の光に晒された乙女の真珠の如く光輝く白い肌は見るも無惨に焼き爛れ、白銀の如く煌めく白く長い髪は煙を上げなら燃えていった。乙女の最後を見に集まった民衆たちは、乙女の悲惨な姿を嘲笑いながら野次を飛ばす。乙女はただ空を見上げて笑っていた。やがて乙女の体が燃え尽き、灰となって崩れ落ちた。乙女の死に沸き立つ民衆たちに混じり、乙女の名を呼びながら泣き崩れる一人の男の姿があった。
7/2/2024, 9:08:35 PM