誰もがみんな
小さな細胞だった
自分の人生の主人公になり
一度は後悔した
生まれなければよかった
反抗期のガキも
嫌味な社長や政治家も
名だたる芸能人たちも
どんな凶悪犯も
私も
誰からも認識されないほど
ちいさな細胞だった
母体に宿ってから
途方もない回数の細胞分裂を繰り返して、
この世に出てきたけど
毎日お乳を飲んで、おしめを替えてもらい、寝るだけ
どこかが痛んでも、痛いとも言えない
退屈でも、暑くても、喉が渇いても、眠くても
泣きわめいて、誰かが気づいてくれるのを待つだけの日々
恐ろしいほどに手のかかる
赤ん坊の頃があった
誰の手も借りずに生きてきたような態度のやつほど
忘れているんだろう
2/11/2024, 4:59:05 AM