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将来を想像できない子ども時代を過ごした。
それなりに悩み多き子どもではあったけれども、理由はきっと悩み事ではない。

私にとって未来とは、児童文学を開けばそこにある世界のように、自分とは隔絶されたものだ。空想は大いなる他人事である。手をこまねいても自分のものにはならない。否、手にする手段そのものがないのだ。空想が空想であるうちには。

私には未来を想像することができなかった。
今ここにいるこの我が身へやってくるものとしての「未来」を、冷静に具体的に見定める機能が私の脳には具わっていなかった。
私はいつ死んでもいいと思っていた。死にたいのかもしれないと思っていた。でも死ねはしなかった。
なぜだろう、と思っていた。

今にして思えば、私は死にたいのではなかった。
ただずっと今際の際に立っていただけだ。

私は死にたいのではない。
死にそうなのだ。
そして、死ねないのだ。

12/3/2023, 7:15:45 PM