君がまだ小さかったころから、
毎年、同じ夜を見てきた。
狸寝入りをして、
親の顔色をうかがっていた年もあった。
朝になるのが待てなくて、
目をこすりながら起きてきた年もあった。
中身を見る前に、
誰かの反応を先に確かめていたこともあった。
気に入ったふりをした年も、
本当に嬉しくて言葉が出なかった年もある。
それでも、
最後にはちゃんと「ありがとう」と言って、
しばらく遊んで、
そのうち日常に戻っていった。
年を重ねるごとに、
箱を見つけたときの反応は小さくなった。
でも、
中身を確かめるときの目だけは、
どこか変わらなかった。
今や君は、自分で働き、自分で選び、
望むものを掴み取れる存在となった。
何よりも、
それは誇りに思うべきことだ。
今年、
私はもう箱を置かない。
けれど、
君が何かを手に入れたとき、
一瞬だけ立ち止まる癖は、
あの頃から続いているはずだ。
それを毎年見てきたことが、
サンタにとっての
いちばんの仕事だった。
題 君が見た夢
12/16/2025, 4:04:57 PM