しそひ

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友情。
 小説を書くことをわたしは享楽としている。尊敬の念を持つ先生に褒められたのは、わたしの観察眼。学校では、友達同士で和気藹々と話している同級生。喧嘩をした後だと思われる独特の空気が流れている友達、だった者共。男子生徒同士の無邪気な馴れ合い。どこか微笑ましいと羨ましがられ、その発言に赤面するカップル。先日、初体験を済ませたと自慢する子供。学校で学べることといえば、様々な人間がいるということだけであった。もっとも、そのままの成績だと、義務教育を終わらせられない。そう教師から忠告を受けられた人間がわたしだが。
 前置きはさておき、ひょんなことからこんな奴にも仲良くしてくれる者が出てきた。本当にひょんなことなので、正直友が出来たことや、通り越して、生きていることに実感が湧かないが……名は二戸虹絵。何故か分からないが、非常に好かれている。最初は同級生とは思えないほどに頭が鈍いお子さんだと思っていたが、ただただ真っ直ぐにわたしのことを好いていると確信したときはある賞を受賞したときの心躍りに近いものだった。
「慧奈!なに考えてるの?」
「あ、いえ。次の小説のことについて考えていただけですよ」
「へ〜!わたし小説よめないけど、できるといいね!」
「はい」
あとやたらと距離が近い。世の中にそういう人間がいることはなんとなくと知っていたが、ここまで身近にいるとは……世間は狭いな。
「できたらさ!わたしに一番に見せて!慧奈はわたしの特別だもん!」
「あ……はい分かりました。一番最初に見せますね」
特別。胸が躍る言葉……!悪くないものだ。



「慧奈はわたしの特別なともだちだもん!大切なたからもの!」









7/24/2023, 10:57:11 AM